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2009年11月24日勉強会認知症医療

第28回日本認知症学会学術集会

 先日、仙台にて開催された(会期:平成21年11月20日~11月22日)「第28回日本認知症学会学術集会」に参加しました。今回のテーマは「専門医時代を迎えた認知症医療」でした。

認知症学会看板.jpg

 この「日本認知症学会」は基礎医学の研究者が多く会員として参加している学会なので、認知症に関する最先端の研究報告を聞くことができて大変有意義でした。

 まだ臨床の現場には出てきていない、画像診断技術や治療薬の話は興味深かったです。新潟大学 脳研究所 統合脳機能研究センターの超高磁場MRIの発表は初めて聞く話なので、ここで少し紹介させていただきます。

 MRI(Magnetic Resonance Imaging:核磁気共鳴画像法)は磁場をかけることによって変化する体内の水素原子からの情報を解析し画像を描き出す装置です。より強力な磁場をかけると、より精密な画像を得ることができます。現在、一般病院で使用されているMRIの磁場の強さは0.5~1.5テスラです。最近は3テスラの超高磁場装置も実用化されていて、大学病院などで使用されています。新潟大学のMRIはさらに強力で、7テスラだそうです。

 発表では、この装置で得られた画像を何枚か提示していただきましたが、光学顕微鏡で見るような精密な画像でした。生きている人間の脳の中の状態を痛みや副作用なく光学顕微鏡レベルの精密さの画像として見ることができるとは、びっくり!です。さらに演者のセンター長である中田力教授によれば、より強力な磁場を発生させる装置はお金さえあれば作ることは可能で、理論的には4μm(0.004mm)までの解像度が得られるそうです。これは光学顕微鏡の限界値に近い値で夢のような話です。

 こうした装置が実用化されると、40歳台、50歳台に検査をして将来、認知症などの疾患になりやすいかどうかなどを知ることができます。超早期発見、早期治療につながります。今回の学会では、将来に希望が持てる報告を聞くことができました。 

医局Y・M

学会参加記「第22回日本総合病院精神医学会総会」はこちら。

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