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2012年4月26日認知症医療

アルツハイマー病研究会 第13回学術シンポジウム(その3)

アルツハイマー病研究会 第13回学術シンポジウム(その2)の続きです。

 「認知症治療薬―来し方・行く末―」洛和会京都治験・臨床研究支援センター 中村重信先生の講演でした。中村先生は広島大学脳神経内科の前教授です。現在は洛和会京都治験・臨床研究支援センター所長、広島大学名誉教授です。御年72歳、認知症の大家の一人です。中村先生の講演では、現在4種類の抗認知症薬が日本国内で使用できますが、「あくまで私見ですが・・・」という前置きで、その4剤の使い分けについて説明していただきました。大変参考になる有意義な講演でした。

 最後にご報告するのは、長谷川和夫先生の特別講演です。「認知症医療はだれの為なのか」という演題で、認知症介護研究・研修東京センター 長谷川和夫名誉センター長が講演されました。長谷川先生は認知症の研究・治療の第一人者、大御所です。御年81歳、お元気です。「長谷川式簡易知能評価スケール」という私が日々便利に使用しているスケールを作られた先生です。このスケールは使えば使う程その良さが分かります。

 講演の中で、認知症ケアの技法として、①寄り添う心と絆 ②聴くことを第一に。待つこと ③目を見て話すこと ④明るく楽しい気分を大切に の4点を示されました。一番大切なのは④だそうです。私としては「待つこと」ができていないな、と反省しました。こちらから話しかけて、返答がなくても1~2分間待つのだそうです。この間の沈黙の時間は大変長く感じるそうですが、待つことで患者様からの反応が得られるそうです。

 認知症と診断されてから亡くなるまでの10数年間の患者様の「心の旅」を支えていくのが主治医の役割とのことでした。

医局Y.M

アルツハイマー病研究会 第13回学術シンポジウム(その1)
アルツハイマー病研究会 第13回学術シンポジウム(その4)

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