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2012年4月27日認知症医療

アルツハイマー病研究会 第13回学術シンポジウム(その4)

アルツハイマー病研究会 第13回学術シンポジウム(その3)の続きです。

 長谷川和夫先生の特別講演の中で、介護保険制度の問題点として、「家族の協力をあてにした制度」とのご指摘がありました。独居で家族の協力が全く得られない高齢者が今度増えてくると制度の維持が困難になるのではないか、というご指摘でした。こうした問題を私は考えたことがありませんでした。病院に来院する患者様には必ず遠縁であってもご家族が同伴します。あまり協力的ではないご家族への対応が難しいことはありますが、ご家族が全くいらっしゃらないケースは稀です。

 現在日本の高齢化率(65歳以上の高齢者人口が総人口に占める割合)は23%です。1985年に10%を超え「高齢化社会」と呼ばれるようになり、2005年には20%に達し「超高齢化社会」と呼ばれています。2030年には高齢化率が32%と予想されています。3人に1人が高齢者です。2030年からのこのような「超々高齢化社会」では「市民同士がお互いに絆を作っていくしかない」と長谷川先生はおっしゃっていました。演題の「認知症医療はだれの為なのか」の解答としては「他人事ではなく市民一人一人の問題であり、市民全体の課題である。」とおっしゃっていました。大変勉強になる特別講演でした。

 81歳で現役の精神科医師という長谷川和夫先生は私の目標です。長谷川先生とは何回か講演を聴いただけで直接お話ししたことはありませんが、いつまでもお元気にご活躍されることを祈っています。

医局Y.M

アルツハイマー病研究会 第13回学術シンポジウム(その1)

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