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2015年11月30日認知症医療

日本総合病院精神医学会2015

第28回日本総合病院精神医学会に参加してきました。

会期は2015年11月27日~11月28日、

徳島の「あわぎんホール」で開催されました。


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印象に残った発表を報告します。

認知症関連では

「糖尿病を合併したアルツハイマー病患者の、生活環境と認知機能・HbA1cの関連性」です。

順天堂東京江東高齢者医療センターの熊谷先生の発表でした。

入院した患者様の入院前の生活環境を「独居」「2人暮らし」「3人以上」「施設」に分けて比較・検討した研究です。

結果・考察は

「独居の患者の認知機能は比較的保たれていたが、血糖コントロールは不良だった。血糖管理は、認知機能障害が軽度であっても患者ひとりでの管理は難しく、早期からの介入が必要と思われた。」です。

糖尿病の患者様は非糖尿病の方に比べて2~4倍の頻度で認知症になりやすいと言われています。

増え続ける糖尿病の独居高齢者をどのように支えていくのはこれからの課題です。

 

透析関連では

「維持透析治療中の難治性不眠を呈する精神疾患患者におけるスボレキサント使用経験」です。

桶狭間病院藤田こころケアセンターの萩倉先生の発表でした。

桶狭間病院藤田こころケアセンターは315床の精神科病院で透析ベッドを10床持っていて、

現在24名の透析患者様が入院されているそうです。

当院と似た治療環境の病院です。

総合病院学会報告2015-1.jpg

スボレキサントはオレキシン受容体の選択的拮抗薬で新しいタイプの睡眠薬です。

この発表では、スボレキサントはふらつきなどの身体的な副作用やせん妄を呈することもなく、不眠に対して一定の有効性が確認されました。

他にもスボレキサントが認知症高齢者の不眠に有用だったという発表がありました。

30mgまで増量する必要があるようです。

近畿大学精神科の白川治主任教授の

「抗うつ薬治療の現在―SSRIの位置づけを考える―」は、

現在のうつ病治療の問題点とともに三環系抗うつ薬からSSRI 、SNRIなど抗うつ薬全般について概説する講演で、日々の臨床で非常に参考になる講演でした。

医局Y.M
 

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