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2010年11月16日認知症医療

認知症は医療の問題?介護の問題?【認知症の難しさ2】

認知症は内科の病気?精神科の病気?【認知症の難しさ 1】の続きです。

さらに難しいのが、介護保険制度とのかかわりです。

介護保険制度が2000年からスタートして、認知症などの高齢者の自宅介護がずいぶん楽になりました。

一方で問題点もあります。

認知症の相談に役所に行くと、介護保険の申請と専門医の受診を勧められます。

専門医が近くにいない場合は「かかりつけ医」の受診を勧められます。

医師の診察を受けて、「主治医意見書」を書いてもらいます。

そして、介護保険制度の利用が始まり、担当のケアマネージャーが決まり、ケアマネージャーのアドバイスでデイサービスやヘルパーの利用が始まります。

こうして介護のレールに乗せられますが、

ちょっと待ってください。

本当に認知症ですか?

前回あげた正常圧水頭症慢性硬膜下血腫という疾患であれば、

脳外科手術によって改善する可能性があります。

この二つの疾患は頭部CT検査、または頭部MRI検査をしないと確定診断はできません。

「パーキンソン病に伴う認知症」という病名もあります。

この場合、パーキンソン病の治療がうまくいくと認知症の症状は改善する可能性があります。

いわゆる

治る認知症

を見逃さないために、医療のかかわりが特に初期の段階では必須です。

また、認知症の長い経過の中で出現することがある

認知症の行動・心理症状(BPSD)やせん妄は飲み薬で症状を改善することができます。

密度の濃い連携が必要【認知症の難しさ3】に続きます。

医局Y.M

こんな症状はありませんか?「認知症とは

ご存知ですか?「認知症と合併症について

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